習字って習う効果あるの?

 当教室は習字と学習のクラスがありますが、やはり習字クラスは小学生の低・中学年からの入室、学習クラスのほうは小学高学年か中学年の入室が多いです。
 そして中には小学生の間は習字、中学生になったのを機に学習クラスに入ってくれる生徒さんもいます。すると、その生徒の成長を長い期間にわたって見続けることができます。
 習字の教室に通っているからと言って全員が全員が同じように上達するわけではありません。ましてや全員が毎年、書き初めや硬筆展などで入賞できるわけでもありません。結局はその時に一生懸命に練習したかどうかです。(特に男の子はそもそもの字が上手でない子が多いですし、1時間硬筆の練習をじっと集中してできる生徒は少ないです)
 ただ、やはり継続は力なりで、習字クラスの後、学習クラスに入った生徒のノートの字は、そうでない子に比べてはるかに読みやすいです(長年見てきた先生目線の贔屓目がある、というのは否定しきれないですが……)。字の大きさのバランスが悪い、中心が揃っていないなどの未熟さはもちろん見られますが、一画一画がしっかりしているので、一字一字を認識しやすいです。習字を通して身に着けた字の書きかたや知識がベースにあるのと同時に、字は丁寧に書こうという意識が持てるようになることが大きいのかなと思います。特に習字の成果がパッとしなかった男の子でも中学生になると急に上手になりますね。
 一方で中学生から学習クラスに入った子ですと、中には本当に読めない字を書いてしまう子が少なくありません。昨今よく言われる筆圧の弱化のせいでしょうか、線が薄すぎて半ば文脈判断しながらの文字認識になります。学習クラスでの授業の際は文字の形云々については一切言わないようにしているのですが、やはり口をはさみたくなってしまいます(笑)。

 前述したように同じ教室で同じペースで習ったとしても、同じように字が上手になるわけではありません。当教室でも100%の成果保証はできかねます。しかし、週1とはいえ年単位で練習を続ければ、大体の子を「字が上手ですね」「読みやすいね」と人に言ってもらえる字を書けるようにできる、少なくともその下地を作ることはできるのかなと、最近ポジティブに考えられるようになってきました。